フランス菓子に変身中?!☆ミッシェルバッハ
25年前(since1982)から夙川で愛され続けている
ドイツ菓子店、ミッシェルバッハさん。
残念ながら2年前に、創業者であるお父様が他界。
昨年5月までの2年間、パリのサダハル・アオキで修行されていた
息子さんである、須波宏晋シェフが後を継がれてから
パリでの経験を生かして、お菓子のラインナップを思い切って変更。
するとたちまちに評判が評判を呼び、
現在ではお客様が絶えることがない状態が続いています。
でも昔からの常連さんの中には、
やはり以前の素朴なお菓子をご所望されるお客様も多いそうで、
ショーケースの1/4ほどは、昔ながらのシュークリームや
ショートケーキといった素朴なお菓子が顔を並べています。
現在と過去が同居し、お互いの個性を発揮してやまない
ショーケースの中のお菓子たち。
2世代が同居している、こんなショーケースも珍しいんじゃないかな(*^^*)
フレジエ
ショーケースの中には、アオキのようなエルメのような
エレガントなフォルムのお菓子が顔を並べています。
今回はクラシカルなフランス菓子からセレクトすることに!
こちらのフレジエの特徴は、生地がジェノワーズではなく
ダックワーズであること。(アオキスタイルですね)
サックリ、ほわっとしたコントラストのある食感で、
ふうわりと広がるアーモンドの香りの余韻が個性的。
生地に合わせてクレーム・ムースリーヌの口溶けも軽やか♪
そして横半分にCutされ、キュートなまん丸の断面が顔を覗かせている苺。
この瑞々しい苺の甘酸っぱいジュースが、
まろやかなムースリーヌと渾然一体となって・・・
まるで華やかな舞踏会で、優雅に踊る
プリンセスをインスパイアーさせるような
甘く馨しく、夢見心地にさせる薫りのヴェールに
包みこまれていきます(*^^*)♡
フレジェって、このエレガントさが魅力なんですよね☆
TOPのピスタチオ&ヘーゼルナッツダイスの
カリッと響く音感がアクセントになり、
ダックワーズのナッティ感も、さらに重層的に!
細やかなアレンジがほどこされた、前衛的なフレジェですね(*^^*)☆
オペラ
ビスキュイジョコンド、ガナッシュ、ジョコンド、コーヒークリームを
2クール繰り返し、TOPは古典的なパータグラッセではなく
グラサージュで仕上げた9層構造。
直線的なラインと鏡面のようなグラサージュが美しい、
やや現代的で、スタイリッシュ&スリムボディのオペラですね。
コーヒーシロップは少なめにアンビベされていて、
フォークを入れても、ジュワ~ッと染み出ることはなく、
食べ進んでいっても、この凛としたボディは保たれています。
グラサージュである分、まろみを帯びたテクスチャーで
ショコラ>コーヒーテイスト。
カレボーのカカオ分55%ほどのスイートチョコレートを使われているので
ショコラのテイストもさほど攻撃的ではなく
ショコラとコーヒーが穏やかなハーモニーを醸し出し
ショコラの心地よく、芳醇な香りの余韻が後をひきます。
老若男女を問わず受け入れられやすいオペラ。
でもオペラには、エッジの効いたキャフェ感を求める私的には
ややキャフェ感が物足りない感じかな^^;
このオペラといい、前述のフレジェといい
直線的なラインが非常に美しく、惚れ惚れとしてしまいますね(*^^*)♡
ミルフォイユ・キャネル
ヘーゼルナッツもトピングされていて、
一見エルメのドゥ・ミルフィーユを髣髴とさせるダイナマイトボディ。
シナモン風味だと聞いて、スパイス好きの私は
プレーンではなく、思わずこちらをセレクトしちゃいました(*^^*)☆
やや厚みのある、しっかりとしたキャラメリゼ。
バリン♪と割れるその感覚は、まるでサンマルクのよう。
フィユタージュもさぞかし・・・とフォルテシモの食感を期待すると、
サックリ、しっとり・・・メゾピアノのやさしいテクスチャー。
このバターの香り高い、しっとりとしたテクスチャーは
アンヴェルセなのかしら?
(バターで小麦粉のデトランプを包み込む、いわゆる逆さ折り)
周りに貼り付けられているフィヤンティーヌも
しっとりと、やさしくクリームを包み込んでいます。
シナモン風味のクリームは、やや粘性が強く、ぽってりとまろやか。
シナモンもしっかりと効いていて、かなり個性的なテイストながら
バターの香り高く、存在感のあるフィユタージュとの相性がGood!
ハラハラッと崩れ落ちるフィユタージュを包み込んで
シナモン、バター、シナモン、バターと2種類の香りが
グラデーションを描きながら、フッと鼻腔をかすめていきます・・・
このミルフィーユは、通好みの大人テイストかな♪
食感よりも、風味よりも、香りのインパクトが大きいミルフィーユ(*^^*)☆
あっ、そうかぁ・・・シナモントーストが好きだから、はまっちゃったのかしら?!
このミルフォイユを包んでいる、店名入りのペーパーカップ。
なんだかレトロな雰囲気で、可愛いですよね?
修行先のサダハル・アオキを髣髴とさせる
スタイリッシュなフォルムの中にも、
先代から受け継がれた、やさしいテイストが感じられるのは
故意なのか、それともまだ進化中だからなのか・・・
四半世紀の歴史を持つミッシェルバッハのDNAを受け継ぎつつ
パリのエスプリを感じさせるお菓子の数々。
前衛的になり過ぎない、この微妙な按配が
関西で人気を博する秘訣なのかもしれませんね。
つづきます・・・
店名:ミッシェルバッハ
住所:西宮市久出ケ谷町2-28
電話:0798-74-3789
定休日:月曜日、第2・4火曜日
営業時間:10:00~19:00
by yukichocolat | 2008-03-25 00:00 | sweets(兵庫)