☆第1回軽井沢スイーツ博コンクール2008☆ 決勝実技審査1日目
7/28~29にかけて、軽井沢のホテルブレストンコートさんへ
とても素晴らしいコンクールの取材にお伺いしてまいりました。
今年で第3回目を迎える「軽井沢スイーツ博」@ホテルブレストンコート
今回のテーマは「スイーツ晩餐会」(8/3~6)
ホテルブレストンコートのシェフとパティシエ達が
素材や調理法にこだわった、8皿23品にのぼる
スイーツのフルコースを、デギュスタシオンというスタイルで、
華やかなプレゼンテーションとともに届けてくださるイベントです。
さらに今年からは、パティシエの卵を発掘、育成することを目的として
軽井沢スイーツ博コンクールが開催されることになりました。
☆第1回軽井沢スイーツ博コンクール2008☆
~日本初の課題食材を収穫するところから始まるコンクール~
今年から新たに開催されることになった
製菓学校を対象にした洋菓子コンクール。
過去の「軽井沢スイーツ博」に参加していただいたパティシエの方々の様に、
(昨年は寺井、金子、川村シェフとブレストンコートの浜田シェフが、
軽井沢の素材を使ったデセールに腕をふるわれました)
将来に活躍が期待できる次世代の金の卵を
発掘・育成することを目的として開催されることになりました。
このコンクールの非常に興味深い点は、
日本初の試みとして、課題食材を(今年はブルーベリー)
農園から摘取るところから始まるというところです。
さらにこのコンクール、審査団のメンバーが素晴らしいんです☆
審査会場となっているホテルブレストンコートの総支配人・長屋晃史氏、
浜田統之シェフをはじめ、金子美明シェフ、木村成克シェフ、
寺井則彦シェフ、永井紀之シェフ、西野之朗シェフ、
フレデリック・マドレーヌシェフが審査団を結成されています。
2ヶ月間の応募期間で全国各地から54通の応募があり、
7/4に行われた書類審査で、6名の決勝実技進出者が選考されました。
選手の皆さんとシェフの皆さまの初のご対面の様子。
とても緊張した空気が流れていました。
憧れのシェフの皆さまが、こんな風に目の前に勢揃いされたら・・・
傍で見ている私の方が、ドキドキしてしまいました^^;
厨房の位置取りは、くじ引きで!
2人ずつのブースに分かれ、隣の選手の様子が手に取るように分かるので
この位置取りもペース配分にやや影響があったかな?!
試合開始前、6人でおしゃべりをしている雰囲気は、やはり学生さん。
でも、これから真剣勝負が始まるんですよね!
さぁ、バスに乗り込み、ブルーベリー農園へLet's Go!
このコンクールの決勝実技審査は、課題食材であるブルーベリーを
生産している農家を訪れ、実際に食材を摘み取るところから始まります。
今年ご協力してくださったのは、長野県南佐久郡佐久穂町の由井農園さん。
甘さ、酸味、熟成度などが品種により異なるブルーベリーの中から
選手自身が考えた作品に最適な品種のブルーベリーを摘み取ります。
作り手にとって重要な「素材を見る眼」を養うなど、
普段体験することがなかなかできない貴重な勉強の場。
私もブルーベリー農園にお伺いするのは初めてなので
この摘み取り体験をとっても楽しみにしていました。
普段購入するときは、長野県産など生産地はチェックしますが、
ブルーベリーに、こんなにも品種があったなんて驚きです!
収穫開始前に、由井さん&堀さん(このコンクールの進行役の方です)
による「猿でも分かるブルーベリー講座」が開講されました。
本とによく分かりましたよ~♪
ブルーベリーは、現在84種類ほどが栽培されているそう。
ブルーベリーは、ラビットアイ、北部ハイブッシュ系、
南部ハイブッシュ系の3品種に分けられます。
長野県では北部ハイブッシュ系約20種類栽培されていて、
ここ由井農園さんでは、現在13種類を栽培されています。
またブルーベリーは比較的新しいフルーツで、
日本には1951年に米国から輸入され、
1970年に長野県で栽培が始められました。
ブルーベリーは、地表浅くに根が張り、横に広がります。
ブルーベリーの根は細いので、乾燥に弱いのです。
そこで有機物を地表の上に敷き詰め、
マルチをする方法をとって根を守ります。
マルチよって水分の蒸発を防ぎ、地表は適度な水分が保たれるのです。
またブルーベリーは、超酸性でなければ育たないので
土壌のPHは4~5に保たれています。
そして、ブルーベリーの特徴としては、
熟さない=追熟しないので、収穫後はどんどん品質が落ちていきます。
逆に熟したものを収穫すれば、糖度が落ちることはありません。
しかし、ブルーベリーは同じ木に生っていても
一気に熟すというわけではないので、
濃く色づいたものを採取しなければいけません。
ブルーベリーは元は白色で、熟すにつれて
翡翠色からピンク、ラベンダー色、そして青紫色へと変化していくのです。
表面がブルーム(白い粉)に覆われていて、
青紫色が濃いものほど新鮮で良い実だそうですよ。
今回はこの7種類を食べ比べ、自分のお菓子に合うものを
自分の目と鼻と舌で選んでいきます。
(比較のために、スーパーの輸入物のブルーベリーも)
写真では分かりにくいかもしれませんが、
見た目も、香りも、食べてみると甘味、酸味も全くの別物で、
選ぶ種類によって、作品の仕上がりが全く変わってくることは
一目瞭然でした。
デューク:中生 中粒・豊産性・果肉しまり、香りが良い(生食向き)
ランコーカス:中生 中粒・豊産性・甘く味が濃い(ジャム向き)
ブルークロップ:中生 中粒~大粒・豊産性・甘み酸味敵和
ブルーレイ:中生 大粒・豊産性・香りよい
ディクシー:中晩成 中粒~大粒・豊産性(生食向き)
ジャージー:晩成 中粒・豊産性・甘み酸味敵和(原種)
ダロー:晩成 大粒・豊産性・果皮は柔らかく、香りよく甘い
シェフの皆さまも真剣にお味見をされていました。
ついさっきまで談笑されていたのに、一気に職人さんの顔に!
選手の皆さんも、ブルーベリー摘みの準備万端。
さぁ、いよいよ本当の意味での決勝戦スタートです!
シェフの皆さまも全種類を食べ比べて、
摘みたてのブルーベリーの美味しさ、
種類による味、香りの違いを堪能されていました。
ある意味、シェフの方が楽しそうだったかも♪
もしかしたら、今後由井農園さんのブルーベリーを
使われるパティスリーさんも登場するかも?!
自分の目で、実際に栽培されているところを見られるなんて
本当に貴重な体験ですものね。
しかもこんなにたくさんの種類を食べ比べられるなんて・・・
今後ブルーベリーのお菓子を見る目が変わりそうです。
農園からホテルブレストンコートに戻り、
いよいよ決勝実技審査スタートです!
選手の皆さんのご紹介をしつつ、1日目の工程を拝見!
(選手の皆さんは、ゼッケン代わりに
帽子に①~⑥番の番号をつけられています)
決勝実技審査は、1日目・2日目各3時間の計6時間。
事前にルセット、作り方、工程表
断面図のイラスト、出来上がり写真が提出されています。
①小林 預言さん(19歳) 日本菓子専門学校
野球青年の小林くんは、数日後に野球の試合も控えているそう。
チームプレイをしている子は採用率高いよ!と某シェフ(笑)
パティスリーさんの厨房は、チームプレイが大切ですものね。
ジュレ・ド・ミルティーユの仕込み中。
決勝審査が始まるまで完成写真しか見ていなかった私は、
断面図を拝見して、想像以上の複雑の構成にビックリ!
②笹川 莉奈さん(19歳) にいがた製菓調理師専門学校えぷろん
ハキハキとした応対がとても好印象を与えていた笹川さん。
お菓子作りの工程もテキパキとしていて、潔かったです。
新潟から東京へ、そして世界へと夢は大きく広がっているご様子。
ビスキュイ・ア・ラ・キュイエールに3層のムースを重ねたものを
ブルーベリームースの中に。
2日目は、仕上げのグラサージュと飴細工を残すのみと順調です。
③高橋 賢多さん(19歳) 辻製菓技術研究所
辻製菓技術研究所は、辻調グループ校で1年間
製菓の基礎、技術力を身につけた卒業生を対象に
より高度な技術を習得させる目的で設立された研究所で
大阪にあります。
今回関西勢はいないと思っていた私は、ちょっぴり嬉しかったです♪
静岡県ご出身で将来は地元でお店を!と思っている高橋くんだけど、
この1年間は関西スイーツも探究してほしいなぁ。
ジュレ・ド・ミルティーユの仕込み中。
なんて色鮮やかなんでしょう!
このままいただいても美味しそうですね。
④平良 透さん(18歳) エコール辻 東京 製菓マスターカレッジ
選手の中で唯一製菓学校1年生の平良くん。
沖縄出身の彼の夢は・・・(笑)
ちょっぴり天然の面白キャラが炸裂していました。
ブルーベリーのジュレには、バルサミコ酢が
結構たっぷりと加えられています。
沖縄出身の平良くんらしく、もろみ酢も使用していて、
出来上がりの味に興味津々!
⑤藤井 香さん(19歳) 町田製菓専門学校
明るい笑顔でムードメーカーになっていた藤井さん。
地元長野県ご出身なので、課題食材のブルーベリーも
幼い頃から食べ慣れた味なのかしら?!
女の子らしいハート型のアントルメ。
中にはブルーベリーとミントのムースを重ねて。
さて両者の相性は?!
⑥宮田 征典さん(19歳) 辻製菓技術研究所
テレビカメラにも全く動じず、
爽やかな笑顔をふりまいていた宮田くん。
今パティスリー界をにぎわしている、埼玉県ご出身です。
たっぷりのコンフィチュールとフレッシュのブルーベリー。
ムース系の作品が多い中、唯一のタルト系なので楽しみです。
決勝実技審査1日目は、大きなアクシデントもなく無事終了です。
夜は懇親会もかねて、みんなでバーベキューに!
この素晴らしいシェフの皆々様と一緒にバーベキューだなんて・・・
選手の皆さんは、今はまだピンときていないみたいだったけど
実際働くようになったら、どれだけ素敵な経験だったか
実感する日が、きっとくるでしょうね(笑)
キュイジニエでもある永井シェフが自然とお肉を焼く係に^^;
若い選手の皆さんは最後まで食べるのに夢中でしたが
早々にリタイヤしたシェフの皆さまと私たちは
お肉を前にしても、やはりスイーツ談義に興じていました(笑)
こんな風に素顔のシェフの皆さまとお話する機会はなかなかないので
私にとっても素晴らしく有意義な一日となりました(*^^*)
2日目の実技審査に続きます・・・
(スイーツ部ログでも掲載しています)
by yukichocolat | 2008-08-09 00:00 | イベント・催事(その他)