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夏の新作☆シェ・ノグチ

「KANSAI1週間」 夏のスイーツ特集 
7件目は、モンプリュさんの林シェフや村田シェフも尊敬してやまない
野口シェフのお店 「シェ・ノグチ」さんへ。

野口シェフは「ホテルグランヴィア大阪」の製菓長を経て05年10月独立。
最初はシュークリームやプリンのような町場のお菓子が人気で、
サンマルクのような伝統的なフランス菓子は全く売れなかったそうなんです。

でも、何事にも研究熱心なシェフは
「きちんと発信すれば素材がアピ-ルできる!」
と素材を生かした、シンプルながらも熟練の技が光るお菓子を発信。
今では、尼崎という地に本格的フランス菓子を根付かせつつあるんです。


夏の新作☆シェ・ノグチ_e0120402_22221117.gifお米のプリン
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                         (シェ・ノグチ撮影:カメラマンの向井さん)

牛乳でリゾット状に炊いたお米のプリンの上に
少しキルシュ風味を効かせたマンゴーソースと
長野産のラベンダーのゼリーをトッピング!
やさしい甘みと香りの余韻が後をひく、アジアンデザートの進化形!
お米とマンゴーの組み合わせって、タイではよくあるんですって。

お米は牛乳につけて30分炊いて、さらに少量の糖分を加えて20分。夏の新作☆シェ・ノグチ_e0120402_11402022.gif
素材にこだわるシェフは、こちらのお菓子に
吟醸酒を作る三田の高級米を使われているんです。
お米自体に甘味があってフルーティー♪

ラベンダーも長野県産のフレッシュなものを使用。
袋を開けた瞬間に、癒し系のやさしいアロマがふ~んわり・・・
これを炊き出してレモン汁を加えただけのフレッシュなゼリーなんです。
お花をスイーツに使うって日本では本当に難しいと思うんだけど
このラベンダーはほんのり香る程度なので苦手な方も大丈夫!
初夏の北海道を彷彿とさせ、清清しい気分に♪

それぞれの素材自体が持つやさしい甘味がお口の中でブレンドされて
心も身体も浄化されていくようです・・・



夏の新作☆シェ・ノグチ_e0120402_11424919.gif季節のミルフィーユ 
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発酵バターを使用した折りパイ生地で濃厚なカスタードクリームをサンド。
生クリームと季節のフルーツが可愛らしくあしらわれています。

このミルフィーユの美味しさのポイントは、なんと言ってもザックザクのパイ生地!
野口シェフはお菓子によって小麦粉を使い分けていらっしゃるのですが
ミルフィーユにはイタリア産を使用。
今も変わらず、「ルノートル」時代に習得した
生地をバターで包み込むアンヴェルセスタイルで!
夏の新作☆シェ・ノグチ_e0120402_12435033.gifアンヴェルセって、バターがじゅわ~っと染み出てくる
ジューシーで馨しい感覚がたまらないんですよね♪

でも、なんでこのパイ生地は波々フォルムなんだろう?
と思っておうかがいしてみると・・・
網をのせてグリルするとこういう波型になるんですって!
波型にすることでキャラメリゼされる面積が増え
ザクザクと香ばしい食感がUP!それが狙いなんですね(^^)v

そして、「や~ん!こっくりしてて美味しい~♪」って
思わず叫んじゃったカスタードクリームの美味しさの秘密は・・・
炊き方にあるんですって。
お菓子作りをされる方はお分かりになるかと思いますが夏の新作☆シェ・ノグチ_e0120402_126938.gif
カスタードって混ぜていくうちに
急にもったり重くなる瞬間があるんですよね。
でも実はそこからが本番!!!
そこでやめてしまわずに、再度やわらかくなるまで
じっくり、じっくり炊いていかなきゃいけないんですって。
温度でいうと95℃くらいまで上げることによってまろやかなコクがでてくるそう。
カスタード星人の私にとっては、とても興味深いお話♪


夏の新作☆シェ・ノグチ_e0120402_127148.gifたまごロール
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実は今回一番楽しみにしていたのが、このたまごロール(*^-^*)
先日TVで作り方をみて、是非もう一度
新たな気持ちで味わってみたいなぁって思ってたんです。

その夢がかなって、なんと今回は焼きたて間もないものを
子供のように両手で持って、はふっと頬張っちゃいました(*^^*)♪

夏の新作☆シェ・ノグチ_e0120402_12125322.gif
なんて表現したらいいのかしら・・・
お口に入れたはずなのに
いつの間にかほわほわっとほどけて
スーっと消えてなくなっちゃうんです。
そしてその後にミルキーな卵の香りの余韻が・・・

でもね、ただのふわふわロールではないんです。
コシがあって歯切れがいいのに、スーっと儚い口溶け・・・

ただ単に生地をやわらかく仕上げようと思ったら
蜂蜜や牛乳を加えればいいんですね。
でも、研究熱心な野口シェフは “素材を生かした”ロールケーキを!
と何度も試作に試作を重ねられたそう。
そして、和菓子に使う微粒子の小麦粉、鶏舎指定の卵
粒子の細かいグラニュー糖等素材を厳選し
通常の倍攪拌することで、このような歯切れがいいのに
ムースのようなほ~んわりとした口溶けのロール生地をあみだされたんです!

この生地をオーブンで7分。短時間で表面だけをしっかりと焼成し
生クリームのみを生地全体にうす~く広げ
熟練の技で、ふ~んわりと巻き込んで完成です!

こんなにシンプルなのに・・・
夏の新作☆シェ・ノグチ_e0120402_122438100.gif生クリームと生地のバランス
一体化したときの口溶けが絶妙なんです。
ちょっと・・・いえ、かな~り感動しちゃいました。

「なにかひとつ壁を乗り越えようと思ったら、昔の伝統の中では
邪道と言われていることが結構あります。
でも、それを乗り越えないと真に美味しいものはできないんです!」
という野口シェフの言葉が暫く脳裏を離れませんでした。


そんな野口シェフがこの夏気になる素材は・・・ライチなんですって!
ライチと紅茶のゼリーやココナッツミルクのブランマンジェなどの
爽やかなグラスデザートが登場予定。
でも実は、ライチはキルシュにからめるのがシェフのイチオシ!
以前は高価だったフランス産のライチのリキュールが
夏の新作☆シェ・ノグチ_e0120402_1363427.gif手に入りやすくなったので、是非使ってみたいそうなんです。
香りを嗅がせていただいたんですが、まさにライチ!
オリエンタルで甘く馨しい、キレのいい香り・・・

「でもうちは、夏でもゼリー系よりも通常のプチ・ガトーの方が
売れるんですけどね」と苦笑いのシェフ。
口溶けがいいお菓子ばかりなので、夏でも美味しくいただけちゃうからでしょうね。

シェフはホテル時代にパンを焼かれていた経験もあり
しっかりと焼きこまれたタルトやパイ菓子もひそかな人気商品♪
別に設けられた焼き菓子用のショーケースの中には
芋、栗、林檎など素朴ながらも誰からも愛されるお菓子が顔を並べ
焼き上がるそばから売切れてしまうほどの人気ぶりなんですよ♪

夏の新作☆シェ・ノグチ_e0120402_12331667.gif


店名:シェ・ノグチ
住所:兵庫県尼崎市若王寺2-36-1アダージオ若王寺1F
電話番号:06 - 6493 - 6100
営業時間:10:00〜19:30
定休日:水曜日

# by yukichocolat | 2007-06-11 21:02 | sweets(兵庫)

夏の新作☆パティスリー カナエ

「KANSAI1週間」 夏のスイーツ特集 
6件目は、関西のマカロン人気のパイオニアとも言うべき小林かなえさんのお店。
パティスリー カナエ」さん。

96年フランスのお菓子学校「リッツ・エスコフィエ」に入学。
有名レストランでの研修を経て1年半後に帰国し、すぐにお菓子教室を開始。
教室中心だったかなえさんが、10年目の節目に何か形になることを!
と「パリのエスプリと京都のはんなり感を融合した」お店を
オープンしたのが'06年10月のこと。
日曜日以外はお菓子教室で教えてらして、合間にお店に顔を出し
日曜日はウェディングケーキの作成や新作の試作が・・・
いつお休みされているのかしらf(^^;
お菓子を作るのが大好きで、お客様の笑顔が嬉しいので頑張れちゃうんですって!


夏の新作☆パティスリー カナエ_e0120402_19465468.gif抹茶キョウト
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夏の新作をということだったのですが
6月は新茶の季節なのでということで、かなえさんご推薦の一品。

ショコラの生地の間に小豆風味のミルクチョコガナッシュをサンド。
ほろ苦い抹茶のムースとクリームを重ねて。
和素材×ショコラ。京都らしい癒しのハーモニーを奏でています♪

ほわっと軽く、口溶けのよいミルクチョコガナッシュの中で小豆がプチッ♪
濃度と口溶けの異なる2種の抹茶の層から、ほ~んわりと馨しい薫りが・・・
抹茶×ショコラ×小豆・・・3種の苦味と渋味が一体化して
趣深い大人テイストを描き出していきます。
和素材とフランス菓子の見事な饗宴。夏の新作☆パティスリー カナエ_e0120402_19461649.gif
想像以上にお抹茶の風味が効いていて、メリハリがあって美味しい♪


夏の新作☆パティスリー カナエ_e0120402_19463777.gifショコラパッション
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パッションテイストのミルクチョコとスイートチョコの2層構造。
濃厚な甘味の奥からキリリとした酸味が!
ブリュレのように焼きこまれているので、とろけるような口溶けが魅力的。

ショコラ×酸味のマリアージュって、私大好きなんです。
弾けるような酸味でショコラの苦味が引き立つんですよね。夏の新作☆パティスリー カナエ_e0120402_2065992.gif
爽やかテイストなので、夏でもショコラを美味しくいただけちゃうし・・・
シュクレ生地もショコラの薫り高く、サクっ、ほろっ。
まったりとしたクレームとの食感のコントラストが絶妙です。

他のケーキにはミニサイズのマカロンがトッピングされているんだけど
このケーキだけには通常サイズのショコラのマカロンが!
これがすんごく美味しいんです~(*^^*)♪
薄く儚い生地が濃厚なガナッシュに溶け込んでいっちゃうようで・・・


夏の新作☆パティスリー カナエ_e0120402_2174530.jpg夏の新作☆パティスリー カナエ_e0120402_218261.jpg









「最初はマカロンだけのお店にしようかと思ったんです!」
というほどマカロンが大好きなかなえさん。
店頭には季節によって作りかえられるマカロンタワーが!
お店に入るとすぐにマカロンのショーケースがあって
目線も女性の高さに合わせてらっしゃるんですって。
引き出し式の1段のショーケースは、宝石を選ぶように
うっとりとマカロンを眺められる仕様になってるんです。
こんな風に1個ずつ選べるのって・・・パリスタイルで素敵でしょ。

実は、私も以前はマカロンってあまり好きではなかったんです。
なんか生地がカリカリした食感で(^^ゞ
かなえさんもそう思われていて、自身がフランスで魅せられた
フレッシュ感溢れるカラフルなマカロンを作りたかったんですって。
色粉ではなく、生地にもガナッシュにもしっかりとフレーバーを
つけてらっしゃるそうで、粒子の加減や天候やによって夏の新作☆パティスリー カナエ_e0120402_21563857.gif
焼き時間も全く異なるんですって。
プチ・ガトー同様にお手間がかかっちゃうみたい・・・
でも、常時20種類が顔を揃え、毎月3種類の新作が登場しちゃうんです。


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今回は久々に全員のシェフの方と一緒に
お写真をとっていただいたのですが、かなえさんとは初めて!
ピンクをふんだんに取り入れて、マカロンタワーやケーキの写真を
飾った店内は男性のシェフのお店とはひと味違うでしょ、とかなえさん。
芯が通っているけど愛らしい、とっても素敵な女性でした。

そんなかなえさんがこの夏気になる素材は・・・
トマトとチーズを組み合わせたマカロンを試作中なんですって♪
真っ赤な生地のマカロンなんて見たことないですよね?!
トマトとチーズとのマリアージュ・・・ワインにも合いそうですね。
他にも夏みかんやスイカ、マンゴーや青梅のような
涼しげな素材も気になるそう。
グラスデザートも3種類登場予定なので、今からとっても楽しみですね。

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店名:PÂTISSERIE KANAE(パティスリー・カナエ )
住所:京都府京都市河原町通り蛸薬師東入る
電話番号*075 - 212 - 4771
営業時間:11:00~21:00
定休日:年中無休

# by yukichocolat | 2007-06-10 12:00 | sweets(京都)

夏の新作☆パティシエ エイジ・ニッタ

「KANSAI1週間」 夏のスイーツ特集 
5件目は、目深にかぶったコック帽子がトレードマークの新田シェフのお店。
パティシエ エイジ・ニッタ」さん。

「ホテルニューオータニ大阪」一筋に18年間勤務し
その間に2002年の「TVチャンピオン ケーキ職人選手権」で優勝。
’05年1月、神戸と大阪の中間に位置する西宮で独立。
オープン当初は、ケーキを日常的に楽しまれる方の多さに
シェフの方が驚かれたそう・・・
温かいおもてなしで地元に愛されるパティスリーを目指されているんですって。
新田シェフとお会いすると・・・ジェントルマンってこういう方のことをいうんだなぁ
っていつも感動しちゃうんです


夏の新作☆パティシエ エイジ・ニッタ_e0120402_20283064.gifイチゴとルバーブのタルト
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信州産のルバーブのコンポ-トが入ったクレームブリュレと
サクサクのタルト生地の間には
自家製のイチゴとルバーブのコンフィチュール。
ブリュレのやわらかい甘味とルバーブの酸味、タルト生地の香ばしさが
お口の中で爽やかなアンサンブルを奏でます♪

ルバーブのコンポートはシャクシャクと甘酸っぱく、自然なピンク色が綺麗でしょ。
新田シェフもこの色合いが一番の魅力!とおっしゃってらっしゃいました。
コンフィチュールも自家製で、販売もしてらっしゃるんだけど
と~っても甘酸っぱくて、しっかりと繊維質が残っているので通好みかな♪
ルバーブはまだ出はじめなので細いそうですが、段々太くなり
国産がなくなってオランダ産へと移行していくんですって。

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私も以前にお菓子教室で生のルバーブを扱ったことがあるんだけど
生のルバーブって本当に硬くって、お手手が痒くなっちゃう人も・・・
しかもとっても酸っぱいんです(◎◎)
でも、火を入れると、食感も風味も全く変わっちゃうんです!
シャクシャクとした心地よい歯ごたえは残しつつ
青春の想い出のような、甘酸っぱいテイストに!

そして私が大好きなのが、新田シェフのサックサクのタルト生地!
秋にタルト・タタンをいただいた時もとっても感動したけど・・・
このルバーブのタルトは、さらに私の大好きなフランジパーヌ仕様。
シュクレ生地にはダマンドではなく、フランジパーヌ
(ダマンドにカスタードを加えたもの)が流し込まれているんです。
ダマンドよりもまろやかでしっとりとした口あたり・・・
酸味のあるフルーツとよく組み合わされるみたいですね。

私も今回初めて知ったんだけど・・・
シュクレ生地は2度焼きされているので、こんなにしっかりとした焼き色で
サックサクの食感に仕上がるんですって!


夏の新作☆パティシエ エイジ・ニッタ_e0120402_212063.gifバリスタ
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こちらは夏の新作ではないんだけど・・・最近超お気に入りの逸品!
チコレ風味のビスキュイで、コーヒー風味のミルクチョコと
ビターチョコのクリームをサンド。
ガツンと効いた苦味と香りが魅力的なんです。

まったりと舌にまとわりつくようなクリームと
シュワッとお口の中で消えてしまうビスキュイ。
甘く芳醇な香りをはなつショコラと、それをキリッと引き締めるコーヒー。
中は全てショコラ色に塗りつぶされているのに
輪郭だけはクッキリと、コーヒーラインで描かれている感じ・・・

ショコラとコーヒーのメリハリの効いた食感と風味・香りのコントラスト。
これが素人ではなくバリスタが入れたコーヒーのような
洗練されたバランスを築きあげているんでしょうね。

さて、新田シェフのこの夏気になる素材は・・・
国産のリュバーブと柑橘系なんですって。
「ただ、レモン以外の柑橘系って、夏までに旬が終わってしまうんですよね・・・」
と残念そうに語るシェフ。

トロピカル系のグラスデザートのバリエーションも
増やしていきたいそうなので、マンゴー好きの私はワクワク(*^^*)♪
すでにマンゴープリンは登場していたから・・・是非タルトも作ってほしいなぁ!

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店名:patissier Eiji Nitta(パティシエ・エイジ・ニッタ )
住所:兵庫県西宮市高木西町23-5
電話番号:0798 - 64 - 0808
営業時間:10:00〜19:00
定休日:火曜日(祝日の場合は翌日)

# by yukichocolat | 2007-06-09 13:40 | sweets(兵庫)