7件目は、モンプリュさんの林シェフや村田シェフも尊敬してやまない
野口シェフのお店 「シェ・ノグチ」さんへ。
野口シェフは「ホテルグランヴィア大阪」の製菓長を経て05年10月独立。
最初はシュークリームやプリンのような町場のお菓子が人気で、
サンマルクのような伝統的なフランス菓子は全く売れなかったそうなんです。
でも、何事にも研究熱心なシェフは
「きちんと発信すれば素材がアピ-ルできる!」
と素材を生かした、シンプルながらも熟練の技が光るお菓子を発信。
今では、尼崎という地に本格的フランス菓子を根付かせつつあるんです。
お米のプリン
牛乳でリゾット状に炊いたお米のプリンの上に
少しキルシュ風味を効かせたマンゴーソースと
長野産のラベンダーのゼリーをトッピング!
やさしい甘みと香りの余韻が後をひく、アジアンデザートの進化形!
お米とマンゴーの組み合わせって、タイではよくあるんですって。
お米は牛乳につけて30分炊いて、さらに少量の糖分を加えて20分。
素材にこだわるシェフは、こちらのお菓子に
吟醸酒を作る三田の高級米を使われているんです。
お米自体に甘味があってフルーティー♪
ラベンダーも長野県産のフレッシュなものを使用。
袋を開けた瞬間に、癒し系のやさしいアロマがふ~んわり・・・
これを炊き出してレモン汁を加えただけのフレッシュなゼリーなんです。
お花をスイーツに使うって日本では本当に難しいと思うんだけど
このラベンダーはほんのり香る程度なので苦手な方も大丈夫!
初夏の北海道を彷彿とさせ、清清しい気分に♪
それぞれの素材自体が持つやさしい甘味がお口の中でブレンドされて
心も身体も浄化されていくようです・・・
季節のミルフィーユ
発酵バターを使用した折りパイ生地で濃厚なカスタードクリームをサンド。
生クリームと季節のフルーツが可愛らしくあしらわれています。
このミルフィーユの美味しさのポイントは、なんと言ってもザックザクのパイ生地!
野口シェフはお菓子によって小麦粉を使い分けていらっしゃるのですが
ミルフィーユにはイタリア産を使用。
今も変わらず、「ルノートル」時代に習得した
生地をバターで包み込むアンヴェルセスタイルで!
アンヴェルセって、バターがじゅわ~っと染み出てくる
ジューシーで馨しい感覚がたまらないんですよね♪
でも、なんでこのパイ生地は波々フォルムなんだろう?
と思っておうかがいしてみると・・・
網をのせてグリルするとこういう波型になるんですって!
波型にすることでキャラメリゼされる面積が増え
ザクザクと香ばしい食感がUP!それが狙いなんですね(^^)v
そして、「や~ん!こっくりしてて美味しい~♪」って
思わず叫んじゃったカスタードクリームの美味しさの秘密は・・・
炊き方にあるんですって。
お菓子作りをされる方はお分かりになるかと思いますが
カスタードって混ぜていくうちに
急にもったり重くなる瞬間があるんですよね。
でも実はそこからが本番!!!
そこでやめてしまわずに、再度やわらかくなるまで
じっくり、じっくり炊いていかなきゃいけないんですって。
温度でいうと95℃くらいまで上げることによってまろやかなコクがでてくるそう。
カスタード星人の私にとっては、とても興味深いお話♪
たまごロール
実は今回一番楽しみにしていたのが、このたまごロール(*^-^*)
先日TVで作り方をみて、是非もう一度
新たな気持ちで味わってみたいなぁって思ってたんです。
その夢がかなって、なんと今回は焼きたて間もないものを
子供のように両手で持って、はふっと頬張っちゃいました(*^^*)♪
なんて表現したらいいのかしら・・・
お口に入れたはずなのに
いつの間にかほわほわっとほどけて
スーっと消えてなくなっちゃうんです。
そしてその後にミルキーな卵の香りの余韻が・・・
でもね、ただのふわふわロールではないんです。
コシがあって歯切れがいいのに、スーっと儚い口溶け・・・
ただ単に生地をやわらかく仕上げようと思ったら
蜂蜜や牛乳を加えればいいんですね。
でも、研究熱心な野口シェフは “素材を生かした”ロールケーキを!
と何度も試作に試作を重ねられたそう。
そして、和菓子に使う微粒子の小麦粉、鶏舎指定の卵
粒子の細かいグラニュー糖等素材を厳選し
通常の倍攪拌することで、このような歯切れがいいのに
ムースのようなほ~んわりとした口溶けのロール生地をあみだされたんです!
この生地をオーブンで7分。短時間で表面だけをしっかりと焼成し
生クリームのみを生地全体にうす~く広げ
熟練の技で、ふ~んわりと巻き込んで完成です!
こんなにシンプルなのに・・・
生クリームと生地のバランス
一体化したときの口溶けが絶妙なんです。
ちょっと・・・いえ、かな~り感動しちゃいました。
「なにかひとつ壁を乗り越えようと思ったら、昔の伝統の中では
邪道と言われていることが結構あります。
でも、それを乗り越えないと真に美味しいものはできないんです!」
という野口シェフの言葉が暫く脳裏を離れませんでした。
そんな野口シェフがこの夏気になる素材は・・・ライチなんですって!
ライチと紅茶のゼリーやココナッツミルクのブランマンジェなどの
爽やかなグラスデザートが登場予定。
でも実は、ライチはキルシュにからめるのがシェフのイチオシ!
以前は高価だったフランス産のライチのリキュールが
手に入りやすくなったので、是非使ってみたいそうなんです。
香りを嗅がせていただいたんですが、まさにライチ!
オリエンタルで甘く馨しい、キレのいい香り・・・
「でもうちは、夏でもゼリー系よりも通常のプチ・ガトーの方が
売れるんですけどね」と苦笑いのシェフ。
口溶けがいいお菓子ばかりなので、夏でも美味しくいただけちゃうからでしょうね。
シェフはホテル時代にパンを焼かれていた経験もあり
しっかりと焼きこまれたタルトやパイ菓子もひそかな人気商品♪
別に設けられた焼き菓子用のショーケースの中には
芋、栗、林檎など素朴ながらも誰からも愛されるお菓子が顔を並べ
焼き上がるそばから売切れてしまうほどの人気ぶりなんですよ♪
店名:シェ・ノグチ
住所:兵庫県尼崎市若王寺2-36-1アダージオ若王寺1F
電話番号:06 - 6493 - 6100
営業時間:10:00〜19:30
定休日:水曜日
# by yukichocolat | 2007-06-11 21:02 | sweets(兵庫)